遺産/金井会計事務所（さいたま市）

人が亡くなった場合、その方の財産つまり遺産の相続手続きを行う必要があります。遺産は、不動産や預金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含みます。したがって、プラスの財産をすべて相続してマイナスの財産は全く相続しないということは認められず、通常はプラスとマイナスすべての財産を相続するか、プラスの財産の範囲内で負債を相続するか、もしくは相続を完全に放棄することになります。すべての財産を相続することを単純承認といい、この場合、実質的に手元に残るプラスの財産は負債の返済後に残った不動産や金銭ということになります。二つ目に説明したプラスの財産の範囲内での負債の相続は限定承認と呼ばれ、相続負債の有無がわからないなどといった理由で個人の財産が把握できていない場合には、この制度を活用することで、相続によって莫大な負債を背負ってしまうという事態を防ぐことができます。各手続きには期限が定められているため、遺産を相続することになったらまず相続財産を速やかに把握し、相続人らに連絡を取って話し合うことが大切です。